英語の疑問文で主語と動詞が入れ替わる本当の理由を新発見!【入れ替えの効果】

white and blue store front 基礎英語

冒頭に、僭越ながら「疑問文」という名称について一言申し述べたいことがあります。Is Tom a student?「トムは学生ですか?」これは果たして疑問でしょうか?疑問とは少々言葉が大袈裟ではないでしょうか?疑問という言葉を辞書で確認してみると(疑問:疑わしい点、または、疑って尋ねること)とあります。つまり、「トムは学生を装ってはいるが、勉強している姿を全く見ないし、遊んでばかりいる。年齢は四十を優に超えてるように見受けられる。けしからん!学生か否か疑わしいので疑って尋ねてみよう。」といった舞台背景が「疑問」という強い言葉に起因して目に浮かんで来る方も多いのではないでしょうか。

さりげない日々の生活で考えると、疑問に思ってというよりは、単に「トムが学生か否かを確認したいだけ」というのがYesまたはNoで返答する(英名:Yes-No Question)だと考えています。よって、「疑問文」だと少し言葉が強いので、「確認の文」といった程度の名称にすれば、日本の学生の皆さんも「後に登場する疑問詞(WhatやWhy等)を使った本当の意味での疑問文との区別が付き易いのでは?」と常日頃感じております。

「入れ替わる」とは一体どういうことなのか?

さて、下記の岡部酒店の写真をじっとご覧になってください。

white and blue store front

例えば、この酒店が学校の行き帰りにあなたがよく目にする見慣れた風景だと仮定します。恐らく、あなたはこの見慣れた風景を気にも留めずに通り過ぎるはずです。

 

 

それでは、ある日突然、こんな岡部酒店に出くわしたら、どうでしょうか?

white and blue store front

 

普段は気にも留めない風景に「あれっ?! 自販機とポストが入れ替わってない?」と困惑し、目を留め、気を留め、注意を引きつけられるはずです

「入れ替える」とは、こういうことなのです。

 

つまり、「入れ替える」ことによって、普段は気にも留めないところへ注意を引くことが出来るということですね。

「入れ替える」というのは最も原始的で、尚且、高確率で相手の注意を引くことが出来る手段となります。

 この「入れ替え」を文法用語で「倒置(inversion)」と呼んでいます。

入れ替え(倒置)の目的は、「注意を引く」これに尽きます。

 

それでは、なぜ英語の疑問文(確認の文)では、主語と動詞が入れ替わる(倒置)が起こるのでしょうか?

 

疑問文(確認の文)で主語と動詞が入れ替わる(倒置)が起こる理由

疑問文には、肯定文や否定文とは大きく異る点1つあります。

それは、話し相手の返答(Yes/No)があって初めて会話(文)として完結するという点になります。(肯定文や否定文は相手のリアクションが必ずしも必要なく、言いっ放しでも文として完結します)

Tom is a student.「トムは学生です。(完結)」(肯定文)
Tom isn’t a student.「トムは学生ではありません。(完結)」(否定文)
Is Tom a student?「トムは学生ですか?(未完)」(疑問文)                    Yes, he is(a student).「はい、彼は(学生)です。(完結)(返答)

 

疑問文相手の返答を得ないと会話(文)を終わらせることが出来ないために、どうしても返答を得る必要があります。

そもそも、話し相手が質問(疑問文)を聞いてないと返答を得ようがないので、返答を得るには、話し相手に質問を確実に聞いてもらう必要がありますね。

話し相手に確実に質問を聞いてもらうために、まず何をしますか?

まずは、話し相手の注意を引きます。

そこで出番となるのが「倒置つまり「主語動詞入れ替えとなります。

 

最後に

「英語は重要なことを先に言う」この文言は日本で「なぜ、英語の疑問文は主語と動詞が入れ替わるのか?」その理由について説明する際に決まって登場します。「これから尋ねます」というキッカケを相手に知らせるisが重要な単語であるので真っ先に言うといった内容のようです。しかし、その理屈でいくと、肯定文・否定文はどちらも主語が真っ先に言われるので重要なのは主語ということになり、肯定・否定を相手に伝えるisが二の次になるというがどうもしっくり来ません。加えて、「学生か否かを尋ねる場合は学生(a student)というワードも重要なのでは?」と感じてしまいます。このように「どの言葉が重要か?」というのは人によって感じ方が異なり、重要度の優劣の判断が難しいことが往々にしてあるので、倒置を解説する際の「英語は重要なことを先に言う」といった文言には少し瑕疵があると個人的には思っています。

 

もう1つ、強調するために倒置(入れ替え)する、という文言も見かけるのですが、強調という言葉を調べると(強調:ある一部分を特に目立つようにすること)だそうで、僕も含め多くの方は強調という言葉にはそういった印象を持ってると思います。ある一部分ということはある1箇所ということであり、文で言うならある1単語を特に目立つようにするというのが強調ということなのでしょうか?

 

しかし、入れ替わる前と

入れ替わった後では

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どの一部分が特に目立ってるでしょうか?

文頭に置けば強調されるという理屈であれば、入れ替わった後に強調されている(特に目立っている)場所は位置的にポストということになるのですが、ポストが特段目立っているようには感じません。もしかするとポストの色(赤)でそのように感じる方もいるかもしれませんが、文字には色は付いていませんし、音声にも色は付いていません。

それとも、一部分というのは、入れ替わった後の姿(自販機とポストが入れ替わった全体の姿)一部分と見なして強調と呼んでいるのでしょうか?強調という言葉を使う際は、強調箇所がどこであるかを明確にしないと強調という言葉とは裏腹に解説がぼやけてしまうので注意が必要だと思います。

やはり、個人的には「返答を得るためTom isからIs Tom入れ替えを起こし、話し相手の注意を引いた」とする自説が好きです。

 

 

 

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