目的語の正体みたり!もうその名称に惑わされない【目的語の謎を解き明かす】

基礎英語

「文とは1つの完成されたセリフである」 一見すると格言のようですが「文とは何か?」と問われたら、このような切り口で解説を始めることにしています。例えば、「私は英語を。」とだけ言われても「あ、そうですか。」とはなりません。1つのセリフ(文)としては未完成ということになり、聞いている人はその発言に対してどのようにリアクションすべきか困惑します。そこで、「私は英語を勉強しています。」と言えば、発言内容はともかく「あ、そうですか。」となり、聞いている人は何かしらのリアクションを取ることが出来ます。これが「1つの完成されたセリフ」すなわち「文」であると定義しています。

その「1つの完成されたセリフ」つまり「文」を英語にすれば、それは「英文」ということになりますが、日本語の文と異なり、英文には1つの大きな欠陥が存在しています。それは、「文の中に必ず主語を登場させなければならない」という欠陥です。主語というのは、その名の通り、その文のつまりという意味になります。日本語はこの主語が抜けがちな言語なのですが、英語は主語がないと文を完成させることが出来ません。日本語と異なり英語は律儀で生真面目な言語とも言えます。

 

目的語という名称に一言物申す

における主役=主語と並んで、目的語という文法用語が日本には存在しています。日本の学生の皆さんが、この「目的語」の「目的」という言葉に惑わされてしまい、その正体が不明のままとなっている方も多いと思います。ちなみに「目的語」は英語でObjectと言います。未確認飛行物体:UFOUnidentified(未確認) Flying(飛行) Object(物体)」のObjectということで元々の意味は「物体」です。このObjectを辞書で確認すると「物体」の意味の他に「目的」という意味が記載されています。この「目的」という意味がObjectにあることが不幸の始まりであり、多くの日本の学生の皆さんが「目的語の何が目的?」と困惑してしまう元凶であると考えています。

誰が(英名object)に対して目的語」と命名したのかは知りませんが、恐らく物体語」「目的語」と2つの候補があって、その人の感覚で語呂の良かった「目的語」が選択され、命名に至ったのではないかと推察しております。

素直に物体語と名付けていれば、その名称から物体だからつまりのことだな」「つまり名詞物体語になるんだな」ということは少なくとも伝わったのでは?と常々残念に思っています。

 

目的語の正体みたり!

上記は文法書などでよく見かける主語がTom目的語がNancy両者の関係は (ノットイコール)という関係図になります。

 

 

実は、この目的語の正体は単純明快!

文の主役「主語」であるなら、文の脇役「目的語」に該当します

一般的に主役脇役同一人物ということはないので、主役(Tom)脇役(Nancy)別人言うまでもなく(ノットイコール)の関係になります。

「目的語とは文中の脇役である

目的語に関しては、この言葉に尽きます。

目的語という名称の中にある目的という言葉自体は、その役割(脇役)とは無関係ですね。

命名した方に悪意はないと信じていますが、僕は名称トラップと呼んでいます。

 

最後に

今回は学生さんであれば聞かない日はないくらい頻繁に耳にするであろう「目的語」の解説でした。
もしも僕に(英名objectの命名権があれば、迷わず「脇役語」と名付けます。語呂は悪いですが、その文の主役である主語と同じように「脇役語」という名称だけで文中での役割がストレートに伝わると思っています。しかも脇役になれるのはのみということで脇役語になれる品詞は名詞のみということも理解し易いのではないでしょうか。
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